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センシング+人材育成で切り拓く創業101年目の印刷会社の品質マネジメント

チラシや本などの紙媒体に加えて、WEBや動画などのデジタルコンテンツが発達した昨今では、印刷業界も大きな変化を迫られています。そのような中でも、お客様に満足のいくモノをお届けするために不可欠なのが“品質マネジメント”。私たちは印刷や製本はもちろん、発送やデザイン制作時から高品質な製品をお届けできるように徹底した品質マネジメントを行っています。そんな大村印刷の製品品質を支えているものは何なのか、徳本工場長に聞きました。


徳本 仁 Tokumoto Hitoshi

大村印刷株式会社 製造本部 工場長
1989年 大村印刷に入社。枚葉機や製版、輪転機を経験し、オフセット印刷機機長、印刷課課長を経て2021年より現職。工場の安全と品質維持・向上に取り組む。


情報メディアの拡大による紙市場の縮小、印刷業界の現在

柴崎 さまざまな情報メディアが発達した近年、印刷業界は大きな転換点を迎えていますが、これまでと大きく変わったと思うことはありますか?

徳本 情報に触れる機会が格段に増えましたが、求められる印刷物の品質レベルも以前より高くなっていると感じます。求められるレベルをクリアするために厳しい品質基準を設けています。

柴崎 大村印刷では1日に何十万枚もの印刷を行っていますが、全ての印刷品質を人の目でチェックしたり不良紙を取り除いたりすることは限界がありますよね。

徳本 はい、はっきり言って無理です。そこで、印刷や製本時に生じた不良品の検知・排出を自動的に行うセンシング機能搭載の品質検査装置など、設備導入を積極的に進めています。

より精度の高い品質検査を可能にした 人の目を超える“センシング技術”

柴崎 センシング機能が搭載された設備にはどのようなものがありますか?

徳本 印刷の設備では、印刷した紙の検査をカメラを用いて1枚単位で行う設備を導入しています。印刷の基準となるデータを登録し、そのデータと異なる色濃度や汚れなどを検知するとアラートが出て、自動的に不良紙を取り除いたり目印をつけ製本などの後工程へ回ることを防いでいます。
製本では、乱丁や落丁を防ぐために、角折れや登録したデータと異なる絵柄を感知すると機械が自動停止する装置を使用しています。2022年4月に「セパキャリトリムⅢ」という、厚みや寸法を検知し、ドッグイヤー(角折れ)が起きている不良品を自動的に取り除く設備を導入しました。

柴崎 新しい設備導入や検査方法によって、どんな変化を感じますか?

徳本 やはりヒューマンエラーによる不良品の流出がぐっと減少し、さらにエンドユーザーに回ってしまうリスクが格段に減りました。製本では以前は人の手によって検品を行なっていたため、その作業スピードに合わせて製本機械の速度も落としていましたが、導入後は従来の1.3~1.5倍の速度での生産が可能になり、工場全体の稼働率向上にもつながっています。

柴崎 現場の負担も減り、稼働率も上がり、高品質な製品を作ることができる…社員や会社だけでなくお客様のご要望にもお応えできますね。 

徳本 そうですね!ですがそれだけでなく、トラブル発生時の原因究明や情報提供にも役立っています。エラーデータが自動保存されるので、それらを参考にして再発防止対策がしやすくなりました。

柴崎 梱包や発送など検査装置の導入が難しい部門ではどのような設備を導入していますか?

徳本 作業確認用のカメラを設置し、必要に応じて作業内容の見直しをすることで再発防止に役立てています。人的作業による事故防止と今後の再発防止対策が可能になったため、本当に導入して良かったと思います。

柴崎 設備導入によって、効率化と品質向上、そして業務の見直しが同時に実現できるようになったのですね。多くの社員がいる中で設備の操作方法などを正しく共有することも導入時の課題ですが、どのように行っているのでしょうか?

徳本 説明する側も設備のことをしっかり理解していないといけないので、小松印刷をはじめとするグループ会社で既に導入されている設備があれば、搬入前に視察に行くこともあります。他の印刷工場を見学することで設備搬入時には分からない注意点やその際の対応を参考にし、スタッフに情報共有することでトラブルを減らすようにしています。

お客様の求める色を実現する “経験と技術”

柴崎 機械やシステムなどの設備導入の他に大村印刷の製品品質を支えているものは何だと思いますか?

徳本 色濃度管理による仕上がりの色のブレ幅軽減やミスロス削減、検品については、設備導入によって負担を減らすことが可能になりましたが、お客様の求めるものをより高いレベルで実現するには、やはり経験と技術が必要になる場面もあります。

柴崎 設備ではカバーしきれないところを熟練の人の技で解決することもあるのですね。

徳本 例えば、高い色品質が求められる美術館関連の案件では、デザイナーや美術館の学芸員様の立ち会いの上で印刷を行うことがあります。紙の種類や刷り上がりの色を見て、インク数パーセント単位での微調整を行ったり、より深い色合いを表現するために通常の4色印刷にさらに1色加える5色印刷を提案したりすることは、やはり熟練の職人のなせる技です。

柴崎 様々な製品と関わる中で経験してきたことを生かし、しっかりヒアリングした上で柔軟に対応することが必要なのですね。

徳本 そうですね。お客様の要望に合わせて、高い色品質を追求することや製本方法のバリエーションに関しては他社に引けを取らないと感じます。

柴崎 これまで培ってきた経験やノウハウを若手スタッフにも伝えていくためにどのような取り組みを行っていますか?

徳本 技術の高い人材が育つことは、大村印刷全体の品質にも直結し、最終的にお客様により喜ばれる製品を届けることにつながるので、社員のモチベーションを上げるために外部セミナーの受講や印刷・製本技能士などの資格取得も積極的に取り組んでいます。

柴崎 工場長の経験から若い人に身につけてほしい力はありますか?

徳本 色の見え方や感じ方は人によって異なるので、どれだけ優れた設備を導入しても、印刷物の仕上がりは最初の色の基準設定をする社員の感覚に大きく左右されます。青魚やジュエリーなどは鮮度や透明感をどのように印刷物で表現するのか、どうすれば見る人に「美味しそう!」「きれい!」と心を惹きつけるような表現ができるのか…。とにかく「本物」をたくさん見て感性を磨いてほしいですね。向き合うべきなのは、目の前の印刷物ではなく、その先の「人」だということを意識してほしいと常々伝えています。

効率化も品質向上も!設備導入と人材教育によって挑戦を続ける

柴崎 最後に、これから挑戦していくことを教えてください。

徳本 スタッフの業務負担軽減や品質・効率向上を叶えるための設備投資と、性別関係なく能力のある人が活躍できる職場環境の整備に着手したいですね。社員や部署間のチームワークとコミュニケーションは、製品の品質向上に直結すると思っています。設備導入などのIT化推進により、適正な人員配置を行えるようになるため、より社員にあった働きやすい会社づくりを進めていきたいです。
設備やシステムでないと不可能なこと、人の目や手でしか表現できないこと。互いにデメリットを補い、メリットを活かし合うことで、会社全体の効率化と品質向上を両立し、今後もよりお客様にご満足いただける製品の追求に挑戦し続けたいと思います。

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